フラワーショップや気になるあの人の
「スタイル」に迫るインタビュー

夫婦で開業して25年!老若男女に「お花のチカラ」を伝える“花屋かずろう王国”

滋賀県甲賀市の古民家で1992年に開業し、25年。中村さんが夫婦で経営している“花屋かずろう王国”は、デザイン性や花保ちの良さといったフラワーショップとしての魅力はもちろんのこと、親しみやすい雰囲気や店主の人柄で、老若男女問わずたくさんの人に愛されています。店主中村さんに、花や店、人に対する思いを聞いてきました。

2017年10月20日
ブルーミー(bloomee) 編集部

築160年の古民家で夫婦が経営する“花屋かずろう王国”

滋賀県甲賀市、旧東海道に面した築160年の古民家で、中村さん夫婦が経営している“花屋かずろう王国”。デザイン性や、こまめな仕入れによる花保ちの良さが、お客様からも評判のフラワーショップです。
店名の「かずろう」は店主中村さんの名前で、そんなところからも気軽に立ち寄りやすい気さくな雰囲気が感じられます。

Bloomee LIFEでは季節感をひと束のブーケに込めて

秋には、濃い紫やワインレッドなどの深みのあるカラーの花々、木の実、もみじの葉に見立てた木苺の葉など——花屋かずろう王国のブーケは、Bloomee LIFEのお客様からも「季節をたっぷりと感じられる」と評判です。
中村さん自身も、Bloomee LIFEのブーケを作るとき、「いかに新鮮な季節感をお届けできるか」を意識しているのだと話してくれました。

入念な下調べで季節感をふんだんに盛り込んで

Bloomee LIFEを始める際、「これまで扱ったことがなかった郵送での花の配送に、最初は少し戸惑った」という中村さん。今では、たくさんの人に花屋かずろう王国の花を届けられることを、嬉しく思っているのだとか。
中村さんがBloomee LIFEのブーケを作るときは、月曜日に花市場のラインナップを見てデザインを考え、水曜日に花を仕入れるそう。しっかりと下調べをしているからこそ、季節感をふんだんに盛り込むことが可能になっているのかもしれません。
Bloomee LIFEに使う花は、店売りの花とは別に考えて仕入れているそうで、店で直接オーダーする花とは違うものが楽しめるのも嬉しいポイントですね。

花好きの奥様と二人で始めた“花屋かずろう王国”

奥様の智子さんと夫婦で花屋かずろう王国を経営している、店主の中村一弘(かずろう)さん。
智子さんは、花が好きで、高校の頃からお花を習うなどしていたそう。しかし、そのころ、ロックバンドに明け暮れていた中村さん自身は、特に花に興味はありませんでした。

そんな中村さんが花の仕事を始めるきっかけになったのは、智子さんと一緒に、妹の誕生日プレゼントとして近所のフラワーショップに花を買いに行ったことなのだとか。
その時の体験から、「満足できるような花屋を自分で開業してみたい」と思った中村さんは、智子さんとそれぞれ当時住んでいた都内のフラワーショップに勤め、花の勉強を始めました。
そして、1992年、中村さんの故郷・滋賀県に帰り、花屋かずろう王国を開業しました。

「めっちゃ可愛いな〜」毎日花の魅力に魅せられて

花の仕事を始めたばかりのころ、「花市場に出荷されていたスカビオサを見て『めっちゃ可愛いなお前~』って言った記憶があります。花市場の職員さんに思いっきり笑われましたが」と、お茶目なエピソードを話してくれた中村さん。
今でも、花との出合いは新しい発見にあふれているという中村さん。魅力的な花を見つけては、毎日のように「めっちゃ可愛いな〜」と声をかけてしまうそうです。
花の仕事を心から楽しんでいる様子が伝わってきますよね。

“花屋かずろう王国”から広がる人との出会い

フラワーショップを開業してから、花との出合いはもちろん、人との出会いが急速に増えた、という中村さん。
花屋かずろう王国が、様々な分野のアーティストや職人、また「すごい」と思えるような人たちとも親交を深めるきっかけになったのだそう。
特に実家が花の仕事をやっていたというわけではなく、ゼロから勉強して花屋かずろう王国を開業した中村さん夫婦。
“お花屋さん”という既成概念や固定概念がなかったからこそ、自由に店を経営でき、「国籍、年齢、性別、分野を全て超えた大事な仲間がたくさんできた」と中村さんは話します。

老若男女が集う秘訣は中村さんのキャラクター?

普段店を訪れるお客様は、「断然近所のおばあちゃんが多い」と話す中村さん。近くに高校があるため、卒業式のシーズンになると女子高生の来訪も増えるそう。
また、意外と男性の割合が多いのも特徴なのだとか。「不思議と男前率が高いんですよ。類友でしょうか?」と中村さん。「男性がお花屋さんに入るの、ものすごく緊張すると思うんですよ。僕なんか絶対花屋さん入るの嫌ですもん。僕がいるから男性客が入りやすいのかもしれませんね」と話します。
一般的には女性客が多いとされるフラワーショップ。花屋かずろう王国が老若男女に愛されているのは、中村さんの明るく人を惹きつけるキャラクターがあってこそなのかもしれません。

「お花のチカラ」を老若男女に伝えていく花屋かずろう王国

癒したり、励ましたり、思いを伝えたり——人々の心に多大な影響を与える 「お花のチカラ」。
中村さんは、そんな「お花のチカラ」を「たくさんのお客様や皆様にお伝えできるお花屋さん」を目指しているのだそう。
花は、たった一輪でも、そのままでも、十分に美しいもの。だからこそ、「デザインはあくまでもシンプルでお花のチカラが伝わる花生けに努めています」と中村さんは話します。

フラワーショップとしての魅力はもちろん、親しみやすい店の雰囲気や中村さん夫婦の人柄に惹かれ、老若男女が集う花屋かずろう王国。
きっと、この店を通して、たくさんの人たちが“お花のチカラ”を実感しているのではないでしょうか。