フラワーショップや気になるあの人の
「スタイル」に迫るインタビュー

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毎日が「花」との一期一会—— “ル・シェル・ブリュー” 坂本さんの花への思い

中目黒駅と池尻大橋駅のちょうど中間ぐらい、目黒川にほど近い、閑静な住宅街にあるフラワーショップ“ル・シェル・ブリュー〜青い空〜”。
店主の坂本さんが作るブーケは、ハイセンスでハレの日やプレゼントにぴったり。長年フラワーアレンジメントの講師をされていたこともあり、「デザイン性を重視している」のがこだわりなんだそう。そんな坂本さんに、花に対する思いを聞いてきました。

2017年09月26日
Bloomee Style 編集部

斬新なのにまとまりがある“ル・シェル・ブリュー”のブーケ

「色彩学では同系色や類似色のものが合うと言われているけれど、花同士はどんな色でも合う」という坂本さん。
“ル・シェル・ブリュー”のブーケは、斬新な組み合わせが多いのに不思議と統一感があり、唯一無二の美しさを誇っています。

写真のブーケは、実際に以前Bloomee LIFEでお届けしたものです。薄いピンクのガーベラに、淡いオレンジのカーネーション。そこに、ラベンダーのルリタマアザミが加わり、小さなブーケでありながらも、淡くスイートな世界観を作り出しています。
実は、ガーベラとカーネーションに別の花を組み合わせる予定でいた坂本さん。でも、実際に組み合わせてみて違和感を覚え、ルリタマアザミを合わせてみたところ、納得のいくブーケになったそう。

主役になる花を決めて、テーマに沿ったブーケを

坂本さんは、Bloomee LIFEのブーケを作るとき、まず主役の花を決めて、その花から今回のテーマを考えるのだとか。
例えば、クルクマの花をメインに選んだら、クルクマのイメージから「可愛さ、清涼感」と今回のテーマを決めます。そして、そのテーマに沿って、名前からして涼しげな趣のある「グリーンアイス」や、ブロッコリーのようで可愛い「セダム」と、合わせる花やグリーンを決めていきます。

珍しい組み合わせのブーケでも、花同士が共鳴しあって絶妙なハーモニーを奏でているように見えるのは、毎回この「テーマ」に沿って作られているからなのかもしれません。

Bloomee LIFE

まるで人に接するように——花一つ一つを大切に扱う、坂本さんの思いとは

目黒川の近く、閑静な住宅街にある“ル・シェル・ブリュー”は、一般的な店舗型のフラワーショップとは異なり、ネットからのオーダーや会社関係の装花がほとんどだとのこと。近隣に住んでいる人から花を頼まれるときも、基本的には予約制です。
一見するとフラワーショップがあるとはわからないような外観は、ショップというよりも、芸術的なブーケをこの世に生み出す「アトリエ」という言葉がしっくりきます。

そんな「花のアトリエ」で店主の坂本さんが作るブーケは、とても芸術的で色あざやか。手さばきはカメラで捉えられないほど素早いのに、とても優しく、まるで花の声を聞くように、手の中で花と花を組み合わせ、大事に束ねていきます。

花をどうしたら綺麗に見せられるか、デザイン性を重視しているところがル・シェル・ブリューの特徴だと話す坂本さん。
そして、まるで一人の人間に接するかのように、花一つ一つを大切に扱う坂本さん。花に深い愛情を注ぐようになった経緯を聞いてきました。

スタジオでの経験が花への思いを確固たるものに

坂本さんが花に興味を持ったのは、大学卒業後に働いていたアルバイト先の隣がフラワーショップだったことから。もともと植物に親しむ環境で幼少時代を過ごしたこともあり、そのフラワーショップの手伝いなどをするうち、花のことをもっと知りたいと思うようになりました。そこから一念発起してフラワーショップに就職しましたが、思うようにいかないジレンマから、花の仕事を辞めようと考えていたこともありました。

その後、坂本さんは、テレビ局のスタジオの装花担当に抜擢され、手探りでカフェやホテル、ブティックなどを見て学びながら仕事に励みます。そして、もっとフラワーデザインについて勉強したいという探究心から、フラワースクールにも通うようになりました。 また、坂本さんが働いていたスタジオは自然豊かな場所にあったため、空き時間はひたすら周辺に生息する山野草を見て調べ、研究していました。
一度は辞めようと思った花の仕事でしたが、そのスタジオ時代の経験が、坂本さんの「花が好き」という思いを確固たるものにしたのだそうです。

当時通っていたフラワースクールを卒業したあとは、講師となり、フラワーショップへの勤務も行うようになりました。そして、今から約20年前、独立してフラワースクールをオープンしました。そして、5年前にフラワーショップを開店し、今の“ル・シェル・ブリュー”が誕生しました。

毎日の“一期一会”を大切に——デザインも花との対話から

坂本さんの話の中で何度も出てきたのが“一期一会”という言葉。

花の仕事をしていると、毎日、新しい花と出合います。そして、「人」と「花」だけではなく、「花」と「花」にも出合いがあります。「その出合いに毎日ドキドキしている」と話す坂本さんを見ていると、心から花に携わる今の仕事を楽しんでいるのが伝わってきます。

また、常に花と対話しながら仕事をしているという坂本さん。「この花はこうして欲しがっている」「これは嫌がっている」というのを長年の経験で培った感覚から感じ取っています。

ブーケのデザインも、坂本さん自身がデザインするというよりは、花の声に耳をすませながら、「この花はどうして欲しいのか」というのを想像しながら作っているのだそう。

「花の魅力」「アート」「ビジネス」の絶妙なバランス感

まるで話をするように花と接し、その花の魅力が最大限に生かされたブーケを作る坂本さん。

彼が目指しているのは、「アート」と「ビジネス」を両立させたフラワーショップ。 アーティストとしてデザイン性のある「良いもの」を作りたいという思いと、フローリストとしてビジネス面でもしっかり成り立たせたいという思いの両方を叶えるフラワーショップにしていきたいのだとか。

花本来の魅力を活かしながら、この2つのバランスを意識しているからこそ、坂本さんの生み出すブーケは、斬新でありながらハイセンスで、受け取った人の心を打つものに仕上がっているのかもしれません。

ル・シェル・ブリューのブーケは、Bloomee LIFEでもお楽しみいただくことができます。 Bloomee LIFE